2022年2月号

一大事、子どもの食糧難

 2月。寒さが増すと、具たっぷりの鍋物が欲しくなる。こんな折も折、子どもを持つ貧困世帯の3〜4割が食料を買えなかったという実態が明らかになった。武士は「喰わねど高楊枝」で済ませたが、子どもが犠牲となると話は別。何とも腹立たしい。

 戦後、世界中が目を見張るほどの成長を遂げた日本はここ何十年と豊かさを享受、生活を謳歌してきた。モノは溢れ、食物類に関しては「3分の1は残滓」として処分。一部ではこうした食品ロス状態が今も続いていると聞く。

 食物は、子どもたちにとって成長への“命綱”。ところが、例えば親の離婚、あるいは現今のコロナ禍による収入の減少なども要因となって経済的に困窮し、貧困世帯が増加。この結果、食料が買えなかったという切実な声も当局などに届いていた。

 現状を踏まえ、各地の奉仕団体や地域住民らは、「子ども食堂」を開設、食の提供に努め、交流も図る。しかし、昨秋以降、諸物価は上昇、貧富の差も拡大の一途。国内は難問山積だが、未来を背負う子どもに関する対策こそ、焦眉の急ではないか。 

 冒頭の数字は、貧困に関する政府初の実態調査結果。まさか、と思いつつ驚いた。片や○○○マスクは保管、検品費用合わせて16億円余の税金がムダ金になった。元実行指示者らは「どこ吹く風」状態かどうかは不明だが、この体たらくに心中の強い北風が収まらない。  (編集長)