2022年6月号

ロ大統領に“指南書

 クスリに頼る生活が続く。月に1、2度会う薬局の薬剤師さんとも顔なじみとなり、「お大事に」の声に苦笑いだ。日本人はとかくクスリが好きらしいが、諸外国を見渡せば、荒ぶるその精神に効果てき面な“万能薬”を薦めたい人材もかなり多いようだ。
 過日、人間ドックを受診した。体重は数キロ減り、血圧はやや高く、胃のバリューム検査では上部に異常な凸凹ありという結果。「胃の詳しい検査を至急に行ってほしい」との添え書きも記されていた。これまで一、二の病気で入院・手術はしたものの何とか生き抜いてきた。
 過去の不摂生がジワリと出たのか、知人の医師のクリニックで胃カメラ検査。「胃グシャグシャ。ついでに、血管ボロボロ、肺ヨレヨレ。まるでフランケン。ひょっとするとお迎え間近」と脅かされ、数種のクスリを新たに賜った。
 考えてみれば自業自得、体に対して野放図の面があまりにも多かった。朝、昼、晩と数種のクスリの厄介になっている毎日だが、「性格」に効き目を与える治療薬は本当にまだないのか。国内外には強制的にも投与したい不埒な人間がいっぱいいるのに。
 老化への道は誰も一緒。体に異変を感じたらすぐにでもクスリや治療を受けることだが、「養生訓」の儒学者、貝原益軒は、身体だけでなく、精神面での養生の「指南書」も残していた。奇貨の折、ロシアのプーチン大統領に早急に送りたい。