古い鳥居を木札に 形変えて❝ご利益❞運ぶ 久之浜諏訪神社

古い鳥居を木札に 形変えて❝ご利益❞運ぶ 久之浜諏訪神社

 久之浜町、諏訪神社(髙木美郎宮司)の木製鳥居が老朽化し、6月中旬に建て替えられた。同神社では、古い鳥居を小さな「木札」に加工して再利用、8月に関係者に贈り、広く〝ご利益〟を届ける。

 建て替えられたのは、控え柱が設けられた朱色の両部鳥居。築40年ほどで、高さ、幅ともに約4メートル。3月の地震で傾いたため調査した結果、本柱の腐食などが判明していた。

 新しい鳥居は、腐食を免れた古い笠木を残しつつ、ケヤキで新調。木目の美しさを生かすため、色を染めずに防水性のクリア塗料を使用している。

 また、古い鳥居は処分せず、縦25センチ、横5センチほどの木札に再利用。明治天皇が読んだ和歌「目に見えぬ 神に向かいて 恥じざるは 人の心の誠なりけり」などを記している。

 同神社では、今春に本殿の修繕工事を終了。木札は、これに合わせて8月に開催する式典などで、奉賛者約80人や総代役員らに贈られる。

髙木宮司は、「参拝者を40年にわたり見守った鳥居。形を変え、それぞれの家庭でまた見守ってもらえれば」と話していた。

古い鳥居から作られた木札。後ろは新しい鳥居(当時・建て替え中)や本殿