2023年1月号

虚偽なく、慌てることなく

日本人はクスリが好きだ。筆者も数種類を常時保管しているが、今、社会ではクスリ不足が問題化しつつある。薬品類はフル稼働すれば何とかなると思うが、世の中にはなかなかクスリが効かない人材も多い。さて新年、今年はそんな彼らに専用の“特効薬”を探してやろう。

クスリに関する伝説は方々にある。有名なのは、『古事記』に出てくる大国主命と、因幡の白ウサギの神話。聖徳太子、医僧とも言われた鑑真、徳川家康らも野草、鉱石類を煎じて作っていた。

そのクスリだが、1961(昭和36)年に、国民皆保険制度が整備されたことから国民の“病院通い”が始まり、誰も数種の処方薬を気軽に手に入れられるようになった。それもあって、現今、一人当たりの使用量は世界でもトップクラスとか。

だが、そうした“飲みすぎ”に加え、製造会社のミスで最近はジェネリック品が欠乏。人の命のことだけに早めの対応を願うが、半面、クスリの効用ゼロに近い人種も増殖中らしい。「ドミノゲーム」が好きな面々だ。製薬会社に“良薬”の製造を依頼し、早急に送りたい。

嘘をつき、ワニに毛皮をはがされた白ウサギは、大国主命の指示で治療、改心したが、昨今は悲しいことに、腹黒いウサギの横行がやけに目立つ。今年のエトは兎。その動作は様々だが、この一年、虚偽なく、慌てることなく、真っ直ぐ進みたい。  (編集長)