2023年6月号

カジノの誘致、腹が立つ

欲には正と邪がある。邪は例えば、度を超したギャンブルや戦争。諸々問題のカジノを含む統合型リゾート(ⅠR)施設の誘致は、極論を言えば、国家・政府の“もみ手案”。経済効果はあるだろうが、治安悪化などを挙げれば、マイナス要因しか浮かばない。

社会に、ギャンブル関連の毒や害はあふれている。公営と名の付くものも言ってみれば賭博の部類に入るか。競馬、競輪、競艇。身近なものではパチンコなどの遊技類。これらに興じるのは個々の自由だが、「儲かった」と呵々大笑の人に会ったことはない。

賭け事にのめり込むのは、いわば、人間が生まれながらに持つ「欲」。「業」もあるだろう。依存し、堕ちれば人間性、人生さえ失われてしまう。世界にはカジノ施設が林立しているようだが、さまざまなトラブル事案も頻発していることは周知だ。

国内では大阪府、長崎県などが“カジノリゾート”に諸手。まだ決定こそしていないが、全国に波及する大きな問題だ。雇用も生まれ、経済の活性化につながるとはいえ、暗の部分も小さくはない。陰に陽に事件、事故の多発化が目に見えているのに。

小心、貧乏性のため、賭け事に手を出したことはない。強いて挙げれば、学生時代に覚えた麻雀ぐらい。社会に出てからも“取材の流れ”で行ってはきたものの、性には合わない。それにしてもカジノ誘致の件、勝手ながら腹が立って仕方ない。(編集長)