2024年8月号

万物の霊長、意外と惰弱?

夏は、体力勝負の季節でもある。この時季、毎年のように高温多湿の状態が続き、エネルギーの消耗は著しい。過日の健康診断(ドック)。部位のいくつかは“安全ライン”を下回り、問診の医師は「お体に気を付けて」。そよ吹く風の到来が待ち遠しい。

いつ頃からだろうか、「夏が危険」と呼ばれ始めたのは。確かにここ何年か、地球は異常なまでに温暖化が進んできた。今年も5月ごろから熱暑日連発。7、8月にはさらに気温は上昇。ひと息つく間もなく9、10月ごろまで真夏日が続く気配。体力自慢の若者たちへの影響も大だ。

「熱中症注意」。こんな報がたびたび出るほど、暑さを導いたのは、我々人類。技術・知識を駆使して自然を“攪乱”してきた。結果、反動をもろにかぶって大騒ぎ。

暑さへの対処法は、食事、運動、睡眠で体力をつけること。だが、子どもまで忙しい時代、これらの確保は困難。古代中国・周の文王は、その優秀さをたたえ、人間をして「万物の霊長」と吠えた。が、暑さに負け、1日も早い秋風の訪れを待つ身の霊長、意外と惰弱か。やはり自然には勝てない。

毎年の健診は編集部の恒例。複数記者が「赤信号」の指摘を受け、青くなった。暑さでバテぎみだった筆者は、点滴を受けた。その折、“体力増進”のためとして漢方薬(補中益気湯)を勧められた。毎日飲む薬剤は4種類にもなってしまった。(編集長)