NEW!! 2024年9月号

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食品ロス、なんと4兆円

相変わらずムダが多い。特に、食品類。フタからはみ出ている飲食店街や住宅街のゴミ箱。これらのロスに伴う経済損失からはじき出された額には唖然とする。食材の多くは諸外国からの輸入品。劣化止まない政治もさることながら、この点でもお粗末すぎる。


昔。お互いさまの「結」があったころ。親に連れられ、子どもながらに稲刈りを手伝った。疲れて米俵の上に腰を下ろすと大人たちから「座るな!」と怒鳴られた。お膳の物も残すと、「最後まできちんと食べろ!」と、これまた叱られたものだった(今はかなり“気まま”だが)。


日本の場合、食品類の原材料の大部分は輸入に頼っている。地場産業でまかないきれない種類、例えば農作物や食肉、魚介類などは世界各国から受け入れており、その費用は天文学的な数字。


一般家庭や飲食店からの食品ロスによる経済損失は、2022年度の政府筋の発表では4兆円とか。今年度の政府の一般会計額112兆円超の3.5%に当たる。「買っては捨てる」「食べずに廃棄」の“お大尽国家”。しっぺ返しはそう遠くない日に必ずやって来る。


「馬肥ゆる秋」。秋は“食のシーズン”でもあるが、1日1食さえ取れない民も多い。戦争もあれば、気候の変化によっては飢饉もある。往時、粗食の典型と言われたのは「1汁1菜」。今は死語の部類とはいえ、こうした心構えは持っていたい。  (編集長)