継ぎ接ぎって何ですか?
小学校での身体検査。全員、下着姿。これが、イヤだった。ももひき、長袖の下着類は継ぎ接ぎだらけ。恥ずかしかったのだ。経済が発展途上の時代の話。今、生活があまりにも豊かすぎ、大量消費に誰も振り回されている。腑に落ちないことがとかく多い。
現今はすべてにおいて大量消費の時代なのだとか。ここ数年、諸外国で流行している「ブラックフライデー」もそうだ。もともとはアメリカの感謝祭がらみで、11月末から行われている、消費喚起の一大イベント。
つまりは、小売業界が年末・年始商戦に向けて弾みをつけるための“安売り合戦”だ。販売商品は衣料を含め、幅広く大量。これに“反抗”し、「グリーンフライデー」というのも登場。人や地球に優しい消費活動を、などとのお題目で始めたようだ。
人の消費行動は様々だ。特に衣類を含めた安売りセールでは「安物買いの銭失い」の経験者は多いだろう。豊饒さに越したことはない。しかし、たった1枚の衣類、パンさえ手に入らない民も多い。古着ボランティアで汗を流し続けた人もいわきにはいた。
家庭には「お裁縫箱」があった。針やハサミなどが入った女性たち必須の“宝箱”だ。果たして今は。30代の主婦は「ありません。ミシンもないです」と、にべもない。正月、街は人も華やかだ。こんな光景を眺めると、継ぎ接ぎなどの言葉はもう死語、と1人納得した。(編集長)