2025年2月号

癒やしの緑、たっぷりです

 本誌の編集部には様々な「緑」が通年並ぶ。その数、約30点。“癒やし”には十二分だ。時に、名のある鉢物類も欲しいと欲張るが、ここ数年来、外国人による高額盆栽の窃盗事件が頻発中、という。伝統文化の盗難、癪に障ってならない。
    
 ガラス張りの窓際。日当たりは抜群。編集部の“ホットゾーン”だ。この一帯に大小の緑たちが台の上などに載る。2メートル以上も成長したゴムの木、枝葉もわんさかのカポック、サボテン類、毎年開花のシクラメンなど。それぞれ赤、ピンク、白の花びらを開き、室内いっぱいに美と潤いを演出。

 これらの緑群、長いもので20年来の“乙女”もいる。日本には花木を愛する伝統が根強いが、代表的なのは黒松や紅葉の盆栽。平安、鎌倉、江戸時代にわたり武士、庶民の間で継承され、今も愛好家は多い。
精魂込められた盆栽の販売価格は、1鉢当たり数10万円以上の作品も。中国、イタリア、オランダなど海外でも人気だけに、盗難もたびたびとか。日本の伝統・芸術文化が不法に流出してしまうのは、まったく迷惑な話だ。
   
 寒真っ盛りの2月。野に若芽を見つけるには早いが、編集部の緑群は、女性陣による日々の丹精で高額盆栽にも劣らない元気な逸品ぞろい。緑をじっくり観賞したい人はご自由にどうぞ。無料です。ただし、高値の盆栽類はありません。念のため。 (編集長)