
特集 | 昭和100年 ―いわき録―その残照、かしこに!(後編)

第二次大戦後(1945年)の焼け野原から立ち上がり、奇跡的な経済復興を遂げ、さらに黄金期を築いた日本。が、勢いはバブル崩壊とともにはじけ、現代にも余波を残している。9月号から続く本特集は「昭和100年」の後半50年を振り返りつつ、いわきに残る“昭和の残照”を取り上げる。
連載 | いわきを辿る!

初日の名所、漁も隆盛
双葉郡から一転し大合併
元旦、弁天島から昇る太陽に歓声が上がり、一斉にカメラのシャッターが切られる。
ここは、久之浜町の波立海岸。初日の出の名所として知られるが、「久之浜はかつて大久とともに双葉郡に属していた」と言うと、若い市民は驚くかもしれない。
明治22(1889)年4月、久之浜、田之網、金ヶ沢、末続の4村が合併して旧久之浜村が誕生した。当時は楢葉郡だったが、七年後には双葉郡に区分。
同35年には町制を施行した。以後、60年以上にわたり「双葉郡久之浜町」が継続。昭和48(1973)年発刊の『復刊雙葉郡誌』にも町の概況が記されている。
現在に続く変化を起こしたのは、同28年施行の町村合併促進法。
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