今年の元日に小児がんで亡くなった柳内翔太さん(享年21)=平=の水彩画などを集めた「心に灯る彩(いろ)~まきしょうた絵画展~」が9月29日まで、平鎌田、東日本国際大学の1号館1階ロビーで開かれている。
会場には、自然が好きだった柳内さんがスケッチした山、花、地元の風景などの水彩画15点を展示。いずれも柔らかな色づかいで描かれており、透明感が印象的。
生前の写真や、闘病時に同じ病棟で出会った仲間3人と共同制作した絵本「くまたとなかまたち~さくら さけ~」も紹介され、柳内さんの足跡をたどることができる。「まきしょうた」は柳内さんのペンネームで、母香織里さん(53)の旧姓を採用した。
柳内さんは、同大附属昌平高通信制課程2年の時、小児がん「ユーイング肉腫(にくしゅ)」を発症。休学して県立医科大学附属病院で治療を続け、一時は寛解したものの再発した。それでも昨年10月に復学し、リモート授業などを通じて美術の単位を取得。
中学生の頃から絵画に興味を持ち、闘病中は外泊許可も得てスケッチを続けた。薄磯海岸には足かけ3年通い、塩屋埼灯台の絵を制作。白血病の女児のため、雪山を描いたこともあった。授業の課題として墨の濃淡で表現した作品「命のバラ」が遺作で、いずれも展示中。
「生きるって楽しいね」
香織里さんは、柳内さんが絵画や絵本の制作を通じて成長する中、こう口にした言葉に心を打たれた。「翔太は自閉症で、自分の気持ちを言葉にするのが難しかったので、そんな言葉が出るなんてと驚き、うれしかったです」と振り返る。
柳内さんが口にした言葉には、別のものもある。
「蒔(ま)かない種は生えないんだね」
絵画展の開催にあたり、香織里さんは「見てくださった方が、心の中に何か小さい種を持ってくれたらうれしい」と話している。
展示時間は平日午前9時から午後4時。作品展示は今後も、シルバーレジデンス孔輪閣などで予定されている。
