現存する平安期の古代建築 国宝・白水阿弥陀堂「内郷」

現存する平安期の古代建築 国宝・白水阿弥陀堂「内郷」

 

 いわきの中央部に位置する内郷地区で、最も有名な場所といえば、誰もが白水阿弥陀堂(内郷白水町)を思い浮かべるだろう。
 いわき唯一の国宝で、永暦元(1160)年岩城氏の祖とされる岩城則道の妻、徳姫が建立したと伝わる。
 徳姫が嫁いできたとされる奥州藤原氏ゆかりの平泉金色堂の影響を受け、浄土式庭園に平安末期の阿弥陀堂建築が建つ貴重な文化遺産だ。庭園も見どころで、例年七月から八月ごろに、金色堂から出土した種から育てた古代蓮(はす)が咲き、観光客たちの目を引く。
 沼の水面に反射する阿弥陀堂も風景印の図柄に含まれており、寺院建築物の前に園池が広がる浄土式庭園の特徴を表している。

2020年追記
 令和元年の東日本台風で、浸水被害を受けた白水阿弥陀堂。現在は復旧も完了、参観も再開されている。

 

通年、県内外からの観光客が絶えず訪れ、紅葉の時期には夜間の特別ライトアップなども。拝観料・大人500円、子ども300円、未就学児は無料。

 

 風景印とは、各郵便局が使用する図柄入りの特殊な消印。名所、旧跡、特産品などが図案化され、窓口で依頼すると通常の消印の代わりに押印してもらえる。収集のための記念押印にも、切手やハガキなどを使用するため、最低63円の料金が必要。

内郷郵便局=いわき市内郷綴町川原田133
電話=0246-26-2101