人をつなぐ時代の懸け橋 松坂吊り橋「好間」

 かつて石炭産業で栄えた合併前の好間村は、昭和28年頃の最盛期には2万2千人以上の村民を抱え、「日本で最も人口の多い村」として知られていた。
 風景印に大きく描かれるのは、炭鉱と炭鉱住宅を結ぶ生活道路の好間川の吊(つ)り橋。大畑、岩穴、松坂の3カ所に架けられていたが、現在は大畑吊り橋が架け替えられたため、当時の面影が残るのは2カ所のみ。
 現在の好間地区はジャンボメニューの町おこしで知られ、巨大なシュークリームやメンチカツなどを目当てに、猛者たちが全国から訪れるデカ盛り、メガ盛りの〝聖地〞となった。
 昭和の面影が残るこの松坂吊り橋(長さ50m、幅1・5m)は、平成を経て令和となった今も、同地区を訪れるさまざまな人をつなぐ、時代の懸け橋となっている。

 

松坂吊り橋は、NHKBSの人気番組「にっぽん縦断こころ旅」でも取り上げられ評判となった。
「威圧感のない吊り橋」と出演者が評した、のどかな風景。

 

 風景印とは、各郵便局が使用する図柄入りの特殊な消印。名所、旧跡、特産品などが図案化され、窓口で依頼すると通常の消印の代わりに押印してもらえる。収集のための記念押印にも、切手やハガキなどを使用するため、最低63円の料金が必要。

好間郵便局=いわき市好間町中好間田中9ー1
電話=0246―36―2229

2020年追記
 令和元年東日本台風の被害で、松坂吊り橋は流され、2020年9月現在、利用できない。

松坂吊り橋は令和元年東日本台風被害で流されてしまった。