
江戸時代は宿場町として栄え、漁業や鉱工業など、時代ごとににぎわいを見せた四倉地区。
同地区の中ほどに位置する名刹(めいさつ)、薬王寺は、大同年間(806〜810年)に徳一大師によって開かれ、磐城三薬師(八茎、赤井、波立)の一つとして親しまれてきた。
風景印に刻まれているのは、同寺に安置される「木造文殊菩薩騎獅像」。鎌倉末期に作られ、運慶作との説もある国指
定重要文化財。同寺所蔵の重要文化財は他に、「厨子入金銅宝篋印舎利搭」と、「絹本著色弥勒菩薩像」があり、併せて拝観可能。
平藩四代藩主、内藤義孝が元禄16(1703)年に寄進したとされる「文殊菩薩像」=写真=は、たび重なる火災、戊辰戦争の戦災、そして東日本大震災でも難を逃れ、同地の平穏を見守り続けている。

風景印とは、各郵便局が使用する図柄入りの特殊な消印。名所、旧跡、特産品などが図案化され、窓口で依頼すると通常の消印の代わりに押印してもらえる。収集のための記念押印にも、切手やハガキなどを使用するため、最低63円の料金が必要。
四倉郵便局=いわき市四倉町西1の101の1
電話=0246―32―6100