2021年9月号

後手連弾、お粗末の極み

 「後手を踏む」。手遅れになる、思うに任せない、ドタバタする、といった意味を持つ。さほど褒められた言葉ではない。昨春以来、コロナ禍で戦々恐々の国内。ゴリ押しの「復興五輪」は虚しさの中、間もなく幕が下りる。二転三転を続ける“苛政”、お粗末の極みだ。
      
 毎朝、2匹の柴犬(オス)を連れて眼前の浜を散歩する。5歳と3歳。赤(茶)と黒。ガラス戸を開けたとたん、早めの準備運動のつもりか、嬉々として庭先で前後の足を伸ばしてストレッチ。つい、笑顔がこぼれる。
 物事を始める前や異変を感じた場合は、先手の対策・対応が必要だ。まして、人命にかかわる問題となると語るまでもない。上も下も力を合わせて立ち向かわなければ、到底収まらない。
 「安心・安全」を唱え、かつ「復興」という原点を忘れ去り、強引に世紀の祭典に突っ走る傍ら、ワクチン問題はたらい回しと酒類業者への脅し。後手の連弾に加え、私利私欲も垣間見えた最高府の“蛇行運転”。かかわった彼らの名は歴史にしっかと刻まれた。負のイメージで。
     
 愛犬の名前は、洒落を含めて古代中国の国名から付けた。周と新。2匹とも普段は甘えん坊だが、自宅周辺で異常を察知すると、敷地内を猛ダッシュで巡回、警戒に入る。“先手必勝型”の用心棒として家族の「安心・安全」にひと役買っているのだ。政府とはまるで違う。 (編集長)