
| 月刊りぃ〜ど 2017年4月号掲載 |
人はどれだけ経験したことを記憶し、後世に伝え、残すことができるのだろうか。
三春の滝桜は1,000年の時を経ても、春には豪華な姿で多くの人を魅了している。
戦乱、大戦、そしてあの東日本大震災、原発事故まで見てきた滝桜は、復興の遅れや、いまだに県民を悩ませる風評被害をどう感じているのか。
滝桜の声に耳を傾けると、「どんなに苦しくい時でも、必ず立ち上がってきたじゃないか。こんなことで負けるな」と、言っているように聞こえる。
そんな声に、何度倒れても立ち上がる福島県民の姿を後世に伝えることが、いま生かされている私たちの使命なのかもしれないと、ひとりつぶやいている。
●木版画・文 菅野伸是(中央台、なごみ庵店主)