NEW!! 2024年3月号

NEW!! 2024年3月号

〝備え怠ること勿れ!〟と

もう、13年の月日が流れた。東日本大震災。ケタ違いとなったこの天災、そして加わった原発の爆発事故。すでに記憶も薄れがちになっているが、災害は期せずしてやって来るのが常だ。そのための「備え」。本誌も今号で特集を組んだ。
時折、いわきの沿岸部を車で走ってみる。勿来、小浜、そして小名浜、江名、中之作、豊間、久之浜地区。あの大津波で完膚なきまでに破壊された各漁港。停留中の漁船は陸に打ち上げられ、あるいは形も無残な姿で港内に浮かんだ。
すでに漁港一帯の大規模な修復工事はほぼ終了し、区画整理事業が終わった沿岸部にはポツリ、ポツリと新しい家屋が立ち並んできた。とはいえ、依然、どの区域も空き地が目立つ。
2カ月前の能登半島の大災害。天災に対する対策の術の1つは「備え」。誰も知っている。原発事故などはまるで余計だが、昔から天は一連の災厄に対し、対応策を含んだ〝声〟を暗示してくれていた気がする。「常に備えを怠ること勿れ!」と。
震災で自宅を失い、7年8カ月にわたり、西日が当たる6畳、4畳半の民間アパートで仮住まい。築後は数十年。表向きは「住めればまし」だったが、内実は「参ったな~」。今、個人的にさほどの「備え」はしておらず、〝喉元過ぎれば〟の体。気のせいか、そんな姿勢に最近、赤信号がチラ付き始めた。(編集長)