NEW!! 2026年2月号

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あだ名は、「ぐんかん」

 受験シーズンになると思い出す先生がいる。中学時代。その先生は、授業をほったらかしにして黒板に「戦艦」を描き、緊張を緩めてくれた。現今、先生のなり手不足が恒常化という。要因は複雑だが、教え諭す“聖職”も地に落ちつつあるのだろうか。

 理科を担当していた男先生のあだ名は、「ぐんかん」。3年生の教室に入ると、「自習!」と一声。チョークをつかみ黒板いっぱいに見事な「戦艦」を描き、戦時を語る。受験を間近に控えている生徒らは、つかの間のユニークな“自由時間”に大喜び。彼独特の思いやりだったのだ。

 「三歩下がって師の影踏まず」は、戒めの言葉。師の立場にある人間に対して生徒(弟子)は、尊敬を持って接しなさい、ということ。今となっては遠い遠い昔の話であり、残念ながらほぼ死語になってしまった。
 教壇にはいろいろな先生が立つ。だが、ここ数年は希望者がかなり減っているとか。過重な負担、組織内の対人関係、保護者との軋轢…。仄聞すれば問題は多々らしい。解消へ提案できる知恵は持たないが、焦眉の急なのは確かのようだ。

 中国・春秋時代の政治家、菅仲の著書に由来する「教育は国家100年の計」。指導者、学ぶ方、いや誰にもかかわってくる教訓の一つだ。自身を振り返れば、学問に対して残っているのは後悔ばかり。とはいえ、どの先生にも感謝しかない。(編集長)